2013/05/18

Lojban Lessons - 13章 (形態論と品詞)

Lojban Lessons - 13章 (形態論と品詞)

重たい(かつ興味深い)話題に戻りたいと思います。

まだ見ていないのであれば、「Story Time with uncle Robin」と呼ばれるロジバンのレコーディングを見つけるか、誰かがロジバンをつぶやくのを聞いて発音の練習をするのを強くお勧めします。頭の中でロジバンで独り言を言うのは、発音がすべて合っている自信ができてからやってください。概して、テキストで発音について学ぶのは厳しいものです。ですから、いかに大事であろうと、この講座では音韻論を取り扱いません。しかし、ここで軽くロジバンの形態論について紹介しようと思います。
[注:youtubeで「ロジバン」「lojban」と検索すれば、いろいろと出てきます。また、日本語でのロジバン音声講座がguskantさんによって公開されています。]

形態論とは何でしょう?この言葉は「形の研究」を意味するギリシャ語からきており、今回の場合、文字と音からどのようにして単語が作られるかについての話です。対照的なのは統語論で、これは単語からいかにして文が作られるかという話です。ロジバンは形態論的に分けられた単語のカテゴリを扱い、これはその形態からすべて定義されています。系統的にするため、特定の機能をもつ単語はできるだけ形態別にグルーピングされていますが、例外もあります。


品詞意味定義典型的な機能

brivlabridi語最初の5文字('は除く)に連続子音。母音で終わる。既定ではselbriとして働く。必ず位置構造をもつ。
-gismu根語CVCCVかCCVCVの5文字からなる。1~5つのsumti位をもつ。基本的な概念を網羅。
-lujvo合成語。 名前の由来は"lujvla"「複合語」。最低6文字以上。rafsi(とその他必要な文字)を繋げて作る。gismuより複雑な概念を網羅。
-fu'ivla借用語brivlaのうち、gismuやlujvoの定義に該当しないもの 例)angeli地名や有機化合物名といった独特の概念を網羅。
cmevla名前語(cmeneとも)初めと終わりが小休止(ピリオド)。最後の音/文字は子音。常に名前や引用内容として働く。
cmavo文法語。名前の由来は"cmavla"「小さな語」。連続しない子音で始まり、母音で終わる。様々な文法的な機能をもつ。
rafsi接辞CCV, CVC, CV'V, -CVCCV, -CCVCV, CVCCy-, CCVCy-ちゃんとした語ではなく、lujvoを作るために使われる。


cmevlaは、初めと終わりが小休止(筆記ではピリオド)になっており、最後の文字は子音なのでとても見分けやすいです。cmevlaは名前として以外に機能を持ちません。逆に言えば、brivlaでない名前や引用語はすべてcmevlaです。アクセントのくる文字を大文字にすることもできます。cmevlaの例を挙げておきます: .iohAN.(Johan、hは大文字のアポストフィー)、.mat.(Matt)、.lutciMIN.(Lui-ChiMin)。子音で終わらない名前は子音を一文字加えてやるか語尾の母音を削除する必要があります: .ivyn.(Eve)または.iv.

brivlaは、そのままでselbriになることから、"bridi語"とも呼ばれ、それゆえ位置構造を有するほとんどすべてのロジバン単語はbrivlaとなります。また、brivlaは別名「内容語」とも言われます。brivlaなしに有用なことを言うのは不可能に近く、文法外の概念のほとんどすべての語は(文法用語のほとんどさえも)、brivlaによってとらえられます。表でみたように、brivlaはさらに3つのカテゴリに分類されます: 
gismuはロジバンの根源的な語です。1450ほどしかなく、ほんの少しだけ新しいものが加わっています。gismuは「円」「友達」「木」「夢」といった最も基本的な概念をカバーしています。zdani, pelxu, dundaもgismuのひとつです。
lujvoはgismuを表すrafsi(後述)を繋ぎ合わせることで作られます。rafsiを繋ぎ合わせることで、語の意味を狭めることができます。lujvoは入念なアルゴリズムによって作られるので、何もなしにlujvoを作るのは不可能に近いです(いくつか例外もあり、たとえばse prami由来のselpa'iなど、元々一義的なものであれば作ることができます)。その代わり、一旦lujvoが作られ、位置構造が決まると、その定義が公式の辞書に載ります。cinjikca (性的な-社交 = 夜遊びする) や cakcinki (殻-昆虫= カブトムシ)などがあります。
fu'ivlaはlujvoやgismuでは定義できない語を補完するために作られ、種の名前や国名、非常に文化的な特有の概念といったものをカバーしています。たとえば、gugdrgogurio (韓国) 、cidjrpitsa (ピザ) 、angeli (天使)などがあります。

cmavoは二個以上の子音を持たない小さな語です。これはふつう外界のことを何も表さず、文法的な機能のみを備えています。例外はありまして、心態詞がどれほど文法的機能のためにあるのかというのは議論の的です。もうひとつの奇妙な例外は、brivlaとして働くGOhAの語です。連続する一連のcmavoは一語として書くことが許されていますが、この章では別々に書くことにします。しかし、機能的に似た語はひとつにまとめてしまったほうが読みやすいです。ということで、.uipuzuvukumi citka と書くのは許されており、構文解析可能で .ui pu zu vu ku mi citka と理解されます。 
他のロジバン単語のように、あるcmavoでは母音で始まる単語の前に小休止を置いたほうがいいです(しかし常にではありません)。 xVV,CV'VV,V'VVの形のcmavoは実験的なものであり、公式文法にはありませんが、ある要求に答えるためにロジバン使用者によって追加されてきたものです。

rafsi は単語ではなく、それ単独で現れることはまずありません。しかし、いくつか(二つ以上)のrafsiは結合してlujvoを形成します。これらはbrivlaの定義に応えていなければならず、たとえば、lojbanは子音で終わるので(子音で終わるのはcmevlaです)ダメで、ci'ekeiは連続子音をもたず、2つのcmavoが一単語で書かれているとみなされるのでダメです。しばしば、3,4文字の文字列はcmavoでもrafsiでもあるものがあります。たとえばzu'eはzukteのBAI形でもrafsiでもあります。文中で、その語がcmavoでもrafsiであっても文法的に正しいようなときはないので、これらは同音異義語とはみなされません。すべてのgismuそのものの形やgismuの頭4文字+yは、他のrafsiの前につけるときはrafsiとして働きます。なお、yはlujvoやcmevlaにのみ現れます。有効なrafsiの文字列は次の通りです: CVV, CV'V, CCV, CVCCy- CCVCy-, -CVCCV ,-CCVCV

今の知識で次の問題に答えられるはずです:
次の語をcmevla (C), gismu (g), lujvo (l), fu'ivla (f) , cmavo (c)に分類せよ。
A ) jai   G ) mumbl
B ) .irci   H ) .i'i
C ) bostu   I ) cu
D ) xelman   J ) plajva
E ) po'e   K ) danseke
F ) djisku   L ) .ertsa


Answer: a-c, b-f, c-g, d-C, e-c, f-l, g-C, h-c, i-c, j-l, k-f, l-f.
問題が簡単になりすぎないようにcmevlaのピリオドは抜きました。
Note: これらの単語の中には、bostuのように、辞書に載っていないものもありますが、これは見当違いです。形態論的にはそれは立派なgismuですので、単にまだ定義されていないgismuなだけです。.ertsaも同様のことが言えます。

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