2013/05/14

Lojban Lessons –8章 (終端詞の省略)

Lojban Lessons –8章 (終端詞の省略)


.au da'i mi djica lo nu le merko poi tunba mi vau ku'o ku jimpe lo du'u mi na nelci lo nu vo'a darxi mi vau kei ku vau kei ku vau kei ku vau

「同胞のア
メリカ人が、私が彼に叩かれるのが好きでないということを理解してくれたらなあ」
上の文が理解できるかはともかく(まだ未習事項のことも含んでいるので多分理解できないと思います)、ひとつだけ分かることがあります:より複雑な文法構造を学ぶにつれ、文がku,kei,ku'oといった意味をもたない語で埋め尽くされてしまうということです。

こういった語にはすべて、ある文法構造の終わりを示す役目があります。たとえば、kuは「selbriのsumti化」の終わりを示します。この類の語を「終端詞」といい、ロジバンではfa'orma'oといいます。上の例文ではfa'orma'oを太字にしてあります。

Note: 例文のvauは「bridiを終わらせる」fa'orma'oです。今まで見てきた文にvauがなかったのにはちゃんとした理由があります。あとで説明するので、頭の隅に置いておいてください。

vau fa'orma'o: bridiを締める

ほぼすべての会話や作文において、fa'orma'oはほとんど省略されます。そうすることで文がかなりコンパクトになりますが、ひとつだけ常に心に留めてほしいことがあります。簡単な例として、lo merko ku klamaを考えます。このときkuを除くと、lo merko klamaとなりますが、これはtanru(merko klama)からなる一つのsumtiです。ということは、この意味は「アメリカ人が旅する」ではなく、「アメリカ人旅行者」となります。安易にfa'orma'oを省略すると、文の意味が変わりかねません。こういうわけで、今までfa'orma'oの省略について触れてこなかったのです。

fa'orma'oを省略できるときの規則は実に単純で、少なくとも理論上は次の通りです: 「文法構造が変わらなければ削除してよい」。
bridiの最後にくるfa'orma'oのほとんどは省略しても支障ありません。例外は「引用を締める」fa'orma'oとか「入れ子bridiを締める」fa'orma'oのような、省略したら明らか不味そうなものです。こういうわけで、vauはほとんど使われることがなく、次のbridiがくる時には必ず.iを挟むので、どうあれやはりvauは不要となります。しかし、fa'orma'oの直後に心態詞を置き、その構造全体を修飾するという使い方は頻繁になされます。vauを使えば、粗方言い終わった後に心態詞を付け加え、そのbridi全体を修飾することができるのです。

za'a do dunda lo zdani {ku} lo prenu {ku}... vau i'e 
「君が人に家を与えるところを見たよ...うん、いいと思う!」
i'e 心態詞: 単純命題感情: 承認 - 保留 - 否認
prenu x1 は人; x1 は人格を有する

fa'orma'o省略の基礎ルールを覚えたところですし、最初に見たあの長ったらしい文からできる限りのfa'rma'oを除いてみましょう。

.au da'i mi djica lo nu le merko poi tunba mi vau ku'o ku jimpe lo du'u mi na nelci lo nu vo'a darxi mi vau kei ku vau kei ku vau kei ku vau

最初のvauはfa'orma'oでない次の語がjimpe、すなわちselbriですから不要となります。1bridi1selbriなのですから、vauは必要でないのです。また、jimpeはselbriとして関係節に入り得ないので(関係節内でも1bridi1selbriです)、ku'oを省けます。同様に、jimpeはle merko poi {...}において第二のselbriになどなれるはずはないので、kuも省けます。さらに、新しいbridiが始まれば否応無しに構造はそこで終わるので、最後にあるfa'orma'oはすべて省くことができます。
結局、修正後の文はこうなります:
.au da'i mi djica lo nu le merko poi tunba mi jimpe lo du'u mi na nelci lo nu vo'a darxi mi 
なんと、fa'orma'oが全部無くなりました!

fa'orma'o省略に関して、cuは強力な武器になります。cuはあなたのロジバンライフを非常に気楽なものにしてくれます。その役目は、selbriとそれより前のsumtiを隔てます。
cuは次にくる語がselbriで、今までの語句は全部終わりますよと知らせてくれる語とも言えます
cuはfa'orma'oを省くために使えます:先行の語句とselbriを隔てるので、先行の語句に伴うfa'orma'oを省けるのです。

cu 省略可能な印: selbriとそれ以前のsumtiを隔てることにより、先行のfa'orma'oを省略可能にする

prami = x1 はx2を愛する
djicax1はx2(事)をx3(目的)のために欲する/求める

lo su'u do cusku lo se du'u do prami mi vau kei ku vau kei ku se djica mi =
lo su'u do cusku lo se du'u do prami mi cu se djica mi
「君が私を愛していると言ってくれることは私に望まれている。」または「私は君に愛していると言ってほしい。」

Note: cuは特定の構造を締めくくるわけではないので、fa'orma'oではありません。機能的にはfa'ormaoの代役になれるというだけです。

cuの強みのひとつは、直観的に理解しやすくなるということです。cu自体に意味はありませんが、ロジバン表現の中核をなすselbriがどこにあるかを明らかにしてくれます。あの暴力的なアメリカ人同胞の話に戻ると、jimpeの前にcuを置いても文の意味は全く変わりませんが、より読みやすくなります。

今後、必要であればcuを使い、可能であればfa'orma'oはすべて省くことにします。
省いたfa'orma'oについては中括弧{}で囲むことにします。以下の文を訳してみましょう!

vajni  x1 はx2にとってx3の理由で重要
jimpe  x1 はx2(命題、du'u抽象句)が真であると理解する;x3について理解する

a'o  心態詞: 単純命題感情: 希望 - 絶望


a'o do noi ke'a lojbo .i'e {ku'o} {ku} cu jimpe lo du'u lo fa'orma'o {ku} cu vajni {vau} {kei} {ku} {vau}
訳せましたか?

Answer: 「私が認めているロジバニストであるあなたがfa'orma'oは重要であることを理解してくれたらと思う」

コラム:ほとんどの人がfa'orma'oの省略に精通しています。これは、fa'orma'oがいかにロジバンを理解するのに重要であるか度々気づかされるからにちがいないでしょう。
そのため、Lojban IRC チャットルームではfa'orma'o djedi(終端詞の日)が毎週火曜日にあります。終端詞の日の間は、多くの人がfa'orma'oを一語足りとも省略せずに、非常に冗長な会話に挑戦しています(挫折する人もよくいますが)

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