2013/05/18

Lojban Lessons - 15章 (sumti その2: KOhA3、 KOhA5、KOhA6)

Lojban Lessons - 15章 (sumti その2: KOhA3、 KOhA5、KOhA6)

次の文を訳すことにしましょうか:「(私の思う)典型的なロジバン話者というのは、自分の話せる言語について互いに話しだす。」

bangu: x1はx2(使用者)がx3(概念/命題/文字列)を表すのに用いる言語; x2はx1語を話す

le'e prenu poi ke'a kakne lo nu tavla fo la .lojban. cu tavla le'e prenu poi ke'a kakne lo nu tavla fo la .lojban. lo bangu poi lo prenu poi ke'a tavla fo la .lojban. cu se bangu ke'a

…日本語の文に比べて長いですね!これはなぜかというと、ロジバンの文ではばかばかしいほどに長いsumtiが文中に2回以上出てきているのに対し、日本語の文では「お互い」とか「自分の」とかを使ってそれを指しているからです。これは非常に効率的ですね。ロジバンにもこれと同じようなメカニズムは無いのでしょうか?

驚くことなかれ!ロジバンにも「代sumti」という意味のsumka'iと呼ばれる一連の単語があります。代名詞とsumka'iは似たような機能をしているので、日本語で代名詞を使うように、あるsumtiを指すためにsumka'iを使えばよいのです。実際、tiやdo、miを既に知っていると思いますが、もっとたくさんあるので学んでいきましょう。まず、今まで習ったものを体系的なものにしたいですね。日本語でも馴染み深いものから始めましょう。:


ti - sumka'i: 直近のそれ: 話者から物理的に近いsumtiを表す。
ta - sumka'i: 近くのそれ:  聞き手に近いか、話者から物理的にいくらか離れたsumtiを表す。
tu - sumka'i: 離れたそれ: 話者と聞き手から物理的に遠いsumtiを表す。

ここでも「i a u」の並びが見られますね。いくつかはっきりさせておく必要があるかもしれません。まず、これらのsumtiは物理的空間を占めると思われるものなら何でも表すことができます。実体は表せますが、概念は表せません。出来事は表せますが、ある程度の特定の場所に限られます -- ジャスミンの進化は指し示せませんが、バーでの喧嘩とかキスしたこととかは表せられます。次に、距離は絶対的なものではなく、あるモノとモノの相対的な距離であることに注意してください: tu は話者とも聞き手とも離れているのであれば、どんな距離であっても適用できます。話者と聞き手が遠く離れていて、聞き手が話者の話していることが分からない場合でも、taは聞き手に近いものを指します。3つ目に、これらの語はすべて相対的で、文脈に依存します。たとえば、書かれた文だと話者と聞き手の位置がお互いに分からず、さらには時間が経つにつれ変わっていくため、問題が生じます。
さらに、本を書くとき、あるものをti、ta、tuで指すことはできず、何を指しているのかきちんと表現しなければなりません。

それから、miとdoの属しているKOhA3と呼ばれるシリーズがあります(koも属していますがここでは書きません):


mi - sumka'i: 話し手(単複)
mi'o - sumka'i: 話し手(単複)と聞き手(単複)の群
mi'a - sumka'i: 話し手(単複)と第三者の群
ma'a - sumka'i: 話し手(単複)と聞き手(単複)と第三者の群
do - sumka'i: 聞き手(単複)
do'o - sumka'i: 聞き手(単複)と第三者の群

これら6つのsumka'iはベン図を書くと、より分かりやすくなります。


KOhA3のベン図(koを除く)。le drataはKOhA3ではないが「第三者(単複)」を意味する。


彼ら全員の代表としてある言明がなされたなら、それは複数人が「話し手」になることになります。それゆえ、「我々」という言葉はmi, mi'o, mi'a, ma'aのいずれかに訳されますが、大体miでいけます。この6語はすべて、2つ以上の個を指すとき、群を表します。bridiの論理上、Aさんが言ったmi glekiと、BさんがAさんに言ったdo glekiは全くもって同等のもので、同じbridiとみなされます。このことについてはまた後で、brika'i(代bridi)の章でやりましょう。

これまでのsumka'iはなかなか適用範囲が狭く、例えば、この章の冒頭にやった文に関しては役に立ちません。次にするシリーズは原理的にはどんなsumtiも指すことができます:


ri - sumka'i: 直前のsumti
ra - sumka'i: 最近だが直近ではないsumti
ru - sumka'i: かなり前のsumti

これらのsumtiは、他のsumka'iのほとんどを除く既に言い終えられたsumtiを参照します。他のsumka'iのほとんどを参照できない理由は、単にそのsumka'iを繰り返したほうが簡単だからです。例外はti, ta, tuで、これらについては位置関係が変わってしまって単に繰り返すだけではいけない可能性が生じるからです。ri, ra, ruは既に言い終えられたsumtiのみを参照するので、たとえば自身が内包されている抽象句を指すことはできません。: le pendo noi ke'a pendo mi cu djica lo nu ri se zdani - この場合、抽象句は終わっていないので、riはそれを参照できませんし、sumka'iであるmiとke'aも参照できません。なのでri はle pendoを指します。
raとruがどれを参照するかは文脈によりけりですが、上で述べたルールに従って、ruは常にraよりも離れたsumtiを参照します。

ri、ra、ruは冒頭の文をシンプルにするのにうってつけです。sumka'iを2個用いてやってみましょう!

Answer: le'e prenu poi ke'a kakne lo nu tavla fo la .lojban. cu tavla ru lo bangu poi ru cu se bangu ke'a
ri を使ってしまうと、la .lojban. を指してしまうので不適当です。raは使えますが、lo nu tavla fo la .lojban. を指していると誤解される可能性があります。一方ruは一番離れたsumtiを指すと想定されるので、最も外側のsumtiを参照できます。

最後に、発話を表すsumka'iがあります。なので、これらは発話変項などと呼ばれたりします。文脈が許せば、1文(jufra)に限らず、複数の文を参照することもできます。:


da'u  発話変項: かなり前の文
de'u  発話変項: 最近の文
di'u  発話変項: 直前の文
dei  発話変項: この文
di'e  発話変項: 次の文
de'e  発話変項: 近い未来の文
da'e  発話変項: かなり未来の文
do'i  発話変項: 省略発話変項: いくつかの文

これらは文をsumtiとして表し、実際に話された言葉や文字のみを参照し、それらの裏に隠された意味は参照しません。

sumka'iはまだまだありますが、ここで一旦休憩しましょう。次の章は派生sumti、他のsumtiからなるsumtiの話になります。




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