2013/05/14

Lojban lessons –6章 (抽象句)

Lojban lessons – 6章(抽象句)

 今まで、1文に主節だけ、つまり入れ子構造のない文を扱ってきました。しかし、より複雑なことを表現するには、従節を含んだ文を作る必要が出てきます。幸い、ロジバンではそういった文は想像より遥かに簡単に作れます。
 まず次の例文から始めましょう:「君が僕の友達だなんて僕は幸せだ」。ここで、主bridiは「〜だなんて僕は幸せだ」であり、副bridiは「君は僕の友達だ」となりますね。「幸せだ」という語、glekiの定義を見てみましょう。

gleki : x1はx2(事)に関して嬉しい/幸せ/幸福/上機嫌 

x2(事)というのがありますね。これは当然のことで、人というのはモノそれ自体に幸せと感じるよりは、モノがある状態にいるという出来事に幸せを感じるからです。しかし、出来事を表すのはbridiです。一方で、glekiのx2にはsumtiしかはめ込めません!これは困りました。 

ご想像通り、策はちゃんとあります。su'u...keiという語句は包括的な「bridiをselbriに変換する」装置であり、lo...kuと同じように語句を囲みます。[注: このようなbridiをselbriに変換する語のことを抽象詞(abstractor)と呼び、抽象詞とそれによって囲まれたbridiの構成体のことを抽象句と呼びます。]

su'u x1 はx2型の{bridi}の抽象句である 
kei 抽象句を終わらせる


Example:
melbi x1 はx2にとって美しい 
dansu x1はx2(音楽/リズム)に合わせて踊る 
melbi su'u dansu kei - 「美しい踊りだ」
[注: su'u...keiで挟まれているのがdansu一語だけですが、これも立派なbridiであることに注意してくでさい。dansuはzo'e dansu zo'eと同一です。]

bridiをselbriとして利用することはあまりありません。代わりに、su'u BRIDI kei がひとつのselbriであることを利用し、lo...kuで囲ってsumti化することがよく行われます。これで、さっきの文を訳す用意ができました。やってみてください!
pendo x1はx2の友達

Answer: mi gleki lo su'u do pendo mi kei ku

[注: lo su'u ... kei ku は「~ということ」とほぼ同意です。抽象句とは英語でいう「that節」や「動名詞」のようなものです。大事なのは、以下で述べる通り、ロジバンではいわゆるthat節が細分化されており、そちらのほうがよく使われるということです。]

しかし、su'u...keiはあまり使われません。代わりに、もっと限定的なnu...keiとdu'u...keiがよく使われています。これらは同じように機能するのですが、その意味が異なります。nu...keiは出来事や状態を表すときに、du'u...keiは抽象bridi、つまり思考内容や事実について表すときに使います。これら(keiは除く)はすべて抽象詞(abstractor)と呼ばれています。他にも色々ありますが、ほとんど使われません。su'u...keiは万能な抽象詞で、すべての場合に使うことができます。

nuを使って「私はあなたと話せて嬉しい」と言ってみましょう。
tavla x1(者)はx2(者)にx3(題目)についてx4(言語)で話す/語る

Answer: mi gleki lo nu tavla do kei ku (この文では誰が話しているのかについては曖昧になっています。これは英語でも同様です(I am happy about talking with you))。もちろん、 mi tavla doとしてもOKです。

他に重要な抽象詞として次のようなものがあります:
ka...kei (性質抽象詞)
si'o...kei (概念抽象詞)
ni...kei (量抽象詞)
これらの意味については少しややこしい話になるので、また後で(29章)述べることにします。それまでは、これら無しでやりくりしていきましょう。

[注: 以下の話は、頭がこんがらがるかもしれないので、とりあえず覚えておいてほしいことだけここに簡潔にかいておきます。lo se du'u .... kei ku というのは、間接引用に使われます。なぜこれで間接引用に使えるのか気になる人は、以下を読んでください。]

抽象詞の中にはいくつかのsumti位をもつものがあるということは覚えておいて損がないです。たとえば、du'uは次のように定義されます。
du'u = 抽象詞: x1はx2という文で表される{bridi}という命題

x1以外のsumti位はめったに使われませんが、lo se du'u {bridi} kei ku は間接引用をする際にときどき使われます。たとえば、「私は犬をもらったと言った」は、mi cusku lo se du'u mi te dunda lo gerku ku kei ku となります。

cusku x1(者)はx2(内容)をx3(聴衆)にx4(媒体)で表す/言う/表現する
gerku x1 はx2(種)の犬

0 件のコメント:

コメントを投稿