2014/12/09

The Gnoli Triangle

ni'o

The Art of Conlang Classification なる記事をみつけた。以下に簡単に訳してみる。


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Introduction

 人工言語には多くの種類があり、その分類法は長年論じられてきた。しかしながら、どれの分類法が最良であるか、未だ一般的な賛同は得られていない。ここでは、様々な分類法についてみていきたいとおもう。

 明らかに、大多数が無意味と見なすような分類はたくさん存在しうる。人工言語の名前のイニシャルだとか、公式な旗・紋章の背景色だとか、作者の出生国だとかいうのは一部にはウケるだろうが、その言語の構造や目的について何も説明していない。イニシャル"Q"をもち、緑の旗で、どちらもスウェーデンで作られた2つの言語があったとして、だからといってお互いは全く以って異なるものである。以降、より意味のある順に分類をみていく。


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[ということだが、Classification by structureには正直興味ないので、というか、興味あるのはThe Gnoli Triangleなので、「目的別」だけを訳すことにする]


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目的別分類

人工言語は実に様々な目的のために作られてきた。異なる母国語を話す人間同士のコミュニケーション手段として作られたものもあれば、フィクションの人々のためのものもある。はたまた、「理想的な」言語の例証を目的としたものもあり、本当に様々ある。現在、目的別分類は意義のあるものであると一般的に考えられている。たいてい、3つの目的に大きく分けられる。


  1. 国際補助語(auxlang):異なる母国語話者の間のコミュニケーションの障壁の橋渡しになることを意図した言語。これはさらに2つに細分化できる:
    1. 世界中での使用を意図したグローバルな国際補助語。例:Esperanto, Novial。
    2. 特定の地域での使用を意図した地域的国際補助語。例:Afrihili, Folkspraak。
  2. 芸術的言語(artlang):芸術作品として作られた言語。これも細分化される:
    1. 架空言語:架空上の種や国家の言語。例:Quenya,Sindarin,Klingon,Verdurian。
    2. 私的言語:個人的な言語的理想を体現する言語。例:Vorlin。
    3. 宗教的・魔法的言語はまさにここに該当する。結局、多くの芸術には高尚な力を祝福するという目的がある。例:Bala-i-balan, Enochian
    しかしながら、これらの分類は重複する:Quenyaは架空言語であると同じくらい、トールキンの理想的言語である(し、私的言語ともみなせる)。
  3. 工学言語(engelang):客観的に確認できる目標を満たすよう設計された言語。3つに細分化できる:
    1. 哲学的言語:特定の哲学を体現する言語。この用語は、その語彙を、概念の一貫した分類から引き出す分類的言語に対してもっともよく用いられる。[訳注:基づいた哲学観念から、諸概念を体系的に分類して、それを語彙に反映させるような言語のことだと思う。] 例:Ars signorum, Ro(分類的言語), Toki Pona。
    2. 論理的言語:形式論理の体系を備えた言語。例:Lojban。
    3. 実験的言語:仮説や考えをテストするために作られた言語。例:Ithkuil。




The Gnoli Triangle

 しかしながら、これら3つの大きなカテゴリ(とサブカテゴリ)はすべての人工言語をきれいに分類する確固たる境界線のある箱ではない。すなわち、お互い重複しあっている。たとえば、芸術言語と工学言語の間の境界線は引くのは容易ではない。engineeringの要素を体現する架空言語やその他芸術言語はたくさんある。Henrik Theilingの人工言語はこれに該当するかもしれない。同様に、国際補助語と工学言語の共通部分もある。たとえば、17世紀の分類的言語や、もっと最近では、ロジバンがそれにあたる。国際補助語と芸術言語さえ重複する。というのも、いくつかの架空の設定からできた架空言語は国際補助語として提案されてきたからである。それゆえ、二者、もしくは三者の中間部分というのが存在する。

 これはすなわち、人工言語が位置することのできる空間が必要であるということだ。そこで考えられたのがGnoliの三角形である(これはClaudio Gnoli にちなんでいる。彼はLivaの作者であり、それ自身、3カテゴリのひとつにキレイに収まらない)。元のGnoliの三角形には、「工学言語」軸でなく、「論理的言語」軸があったのだが、And Rostaがそうしたほうがよいと提案し、現在は「工学言語」軸となっている。三角形は次のようになっている(カラースキームはRaymond A.Brownによって付け加えられた):

[Gnoli Triangle]

たとえば、ある人工言語作者は、自作言語について「70%芸術言語、20%工学言語、10%国際補助語」というように言い、三角形上のある一点を指すことができよう。


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 とりあえず Gnoliの三角形が出てきたのでこれでおしまい。結局、0か1かでなくて、主要3分類の成分比で特徴づけようというのがGnoliの三角形ですね。そんな突飛なアイデアでもないですが、結局、離散化からの脱出がよりよい方法なんだろうということを教えてくれます。


mu'o mi'e .cogas.iuk.

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