2014/12/14

学名のロジバン化

14/12/14 ver1.0

ni'o

The CLL 4-8より、学名のロジバン化に関わる部分だけ訳しました。


ni'o lu

 さらに、学名(リンネ式二名法)をロジバン化する際の規則を設ける。これは国際的に動植物の種に対して適用されている。正確であることが不可欠である場合、これらの名前はロジバン化する必要はなく、19章で説明するように、シマヴォ{la’o}を使ってロジバン文の中で直接使えるようにすることができる。しかし、このシマヴォを使う方法では、最低4音節以上の長ったらしいラテン語化された名前を使うことになるし、その発音も疑わしくなる。次の提案は、不完全ではあるが、リンネ式名を有効なロジバン名に変換する手助けとなるだろう。これらはリンネ式二名法やその他の国際的な科学用語に基づいたフヒヴラを作るときにも役立つはずである。以下で使う用語として、「後舌母音」とは “a”, “o”, “u” のことであり、「前舌母音」とは “e”, “i”, “y” のことである。

  • "cc" 以外の二重子音(同じ子音が2つのもの)は1つにする(1つ消す)。
  • 前舌母音の前にくる “cc” は “kc” とし、それ以外では “k” とする。
  • 後舌母音の前や語末の “c” は “k” にする
  • 子音(”h”以外)の前や語末の “ng” は “n” にする
  • 語頭の “x” は “z” にし、それ以外では “ks” とする
  • 語頭の “pn” は “n” にする
  • 語末の “ie” と “ii” は “i” にする

さらに、次の特殊な置き換えを行う:

  • aa → a 
  • ae → e 
  • ch → k
  • ee → i
  • eigh → ei
  • ew → u
  • igh → ai
  • oo → u
  • ou → u
  • ow → au
  • ph → f
  • q → k
  • sc → sk
  • w → u
  • y → i

 しかしながら、二続きの母音はそれが2音節をなす場合は変換すべきではない。
2つの母音に挟まれた “h” は アポストロフィにし、それ以外では “h” は取り除く。もし “h” を取り除くべきでなさそうなときは、代わりに”x”を用いる。
 ロジバンの二重母音を形成しない残った母音ペアは、その間にアポストロフィを挟む。


li'u ni'o

これで恐らくリンネ式二名法でfu'ivlaが作れるはずですが、現状の傾向として見られることを書いておきます。

 まず、語末の子音は落とされるようです。そのまま母音をつけてしまうと、元のアクセントと同じでなくなってしまうからでしょう。

 それから、大体の(まともな;ラテン語由来の)学名は3型fu'ivla、つまり、語頭に関連するgismuの4文字rafsiをつけて登録されています。3文字rafsiを用いた学名fu'ivlaも登録されています。これについてはあとで論じることにしておいて、とりあえず例外がほとんどない4文字rafsiのほうを見ていきます。4文字rafsiを用いた(つまりスタンダードな)3型fu'ivlaは、

[4文字rafsi] - "r" (rafsiの語末や借用綴りの語頭が"r"のときは"n") - [借用綴り]

でつくります。3型fu'ivla学名で使われているgismuは、"finp-", "spat-", "gerk-", "cipn-", "tirx-", "bakn-", "mabr-", "sinc-", "jukn-", "xant-" などがありました。


 ある学名の動物を輸入したいとして、目レベル、属レベル、科レベル、種レベルのどのレベルを作るかというのは悩ましいところです。一番無難には種レベルで登録するのがいいでしょうが…。

 それよりも厄介なのが、どのgismuを使うかだと思います。たとえば、現段階で"mabr-"(哺乳類動物)を使っているのは「フェレット」のみですが、できればイタチ科gismuが使いたいところです(無いので仕方ないのですが)。

 おそらく、輸入したい動物範疇のひとつ上のカテゴリをgismu rafsi として採用するのが賢明だと思います。種なら属(なければ科)、属(科)なら網とすればまず間違いないとは思います。

 問題は、無い場合です。イタチ科もそうですが、ひとつ上のカテゴリのgismuが無い場合が困ります。その場合は仕方なく網(網はgismuに脊椎動物亜門と昆虫網ならすべて揃っています)を採用することになります。その辺りの格差が難儀ですね。

 イタチ科動物をfu'ivlaで作っておいて、それを用いてフェレットを定義する…という方法も考えられますが、どう考えても綴りが長くなりすぎて実用的ではないですね…。

 さらにいえば、爬虫網の目系はlujvoが比較的発達してはいますが、これもやはり語頭に使うには厳しいところがありそうです。{cakyrespr-}(カメ目の-)は少し冗長な気もします。

 個人的によりよいと思うのは、種の定義はしない、ということです。実際、gismuのほとんども属・科止まりです(しかし、ライオンやニワトリの2種のみ例外です)。これなら、網を使って定義できますし、比較的安全です。ただ、これでも、目の登録と属・科の登録がぶつかるのでまたまた難儀ではありますが…。

 種名は、x2でcmeneを用いて表現できますし、fu'ivlaに忌まわしき英名定義が蔓延っている状態を考えると、みんな考えたくないし、種のラテン語名なんて覚えたくないんですよ。ならcmeneで一時的に母国語から引っ張ってきたほうが道理に適っているように思います。

 あ、あと最後に。fu'ivlaには必ず由来を書きましょう。借用してるんだから、その起源(種名のラテン語綴りとか)を明記するのは当然だと思うのですが!それがいやならcmeneでしのげばいいのに…といつもながらぷんすこしております。


0 件のコメント:

コメントを投稿