2013/07/15

UI2 認識系

※これはBPFKsectionを訳したものです。

[注: 認識系(evidential)は発話の典拠を印す心態詞です。なぜ認識系という訳語がついたのかは謎ですが、英語のevidentialは言語学の用語で「証拠性」という意味です。ここではそれには深くは踏み込みませんが、「~だ、根拠は○○だ。」という風に訳すのがいいかもしれません。もしくはさもレポートのように<典拠>○○と書くのも分かりやすいかもしれません。]


ba'a (UI2)
情報/着想の出所が予期であることを表す。
(cf. bavykri, lifri, morji)

Keywords: 私は予期する、<根拠>予期

 ba'aはもっぱら非時制的な意味で使われているようです。すなわち、「私はXが起こるだろうということを予期する」という使い方は稀で、「Xが正しいと思う」というのが主な使われ方です。非時制的と時制的の間の解釈としては、「Xが私の疑問に対する答えであるだろうと想定する」があります。
 ba'anaiは過去のことを参照するのに非曖昧に使われるようです。

・時制的用法

ba'a do bazu djuno fi ro djedi
私は予期する:あなたはしばらく後に毎日について知るだろう

.ua .i ba'anai
ああ、そうだったそうだった。

・非時制的用法

.i .y. xu ro pipybanfi cu respa - ba'a na mabru
えーっと、カエルは爬虫類ですか? - 哺乳類ではないと思う。

.i lenu mi joi la tal. puzi casnu ti cu mukti lenu mi te preti fo do .i ba'a loi mlatu loi gerku cu zmadu leka kukte .i xu tugni
私とTalのちょっと前の議論が、私が君に尋ねるきっかけになっている。猫は犬よりも美味しいと僕は思うんだけど、どう?

ma se xabju do ne'a la astn - ba'a ne'a la ubuty. xabju
アストゥンの近くのどこに住んでいるの? - UTの近くかな。

ba'a do xabju le jecrsautkarolaina
君はあの南カロライナに住んでいると僕は思っている。


ba'a cu'i (UI*2)
情報/着想の出所が経験であることを表す。

Keyword: 私は経験する、経験上、<根拠>経験

ba'acu'i cumki fa le nu mi sutra bacru ta'i tu'a lo nu lo denpa cu jbini ro valsi
経験上、私は(語ごとの小休止に関して)早口で喋ってしまう可能性がある。


ba'a nai (UI*2)
情報/着想の出所が記憶/回想であることを表す。

Keywords: 私は覚えている、 記憶上、<根拠>記憶

ko tcidu .i ba'anai do pante vu'e le za'i le banrglico cu bangu le jboskepre
読みなさい。英語はロジバン学者の言語であるという事実に君が反抗しているのを覚えている。


ca'e (UI2)
遂行的行為/発話行為を示す。すなわち、話者がそう言ったが故にそれは真であるというような発話であることを示す。

Keywords: 私は定義する、私は明らかにする、<根拠>この文

ca'e le mi tubnu cu na'ebo marna tubnu
私のパイプは麻ではないパイプと私は定義する。
(誰が言おうと、私のパイプは非麻のパイプだ)

ca'e la bais cu mulno
BAIは完成したと私はここに宣言する。

ca'e le re do cu simxu speni
君たち二人が互いに婚約していることをここに宣言します。


ja'o (UI2)
情報/着想の出所が、他の(言明された/されていない)情報であることを表す。
(cf. selni'i, ni'ikri)

Keywords: 結論付けると、ということは、結局のところ、<根拠>他の文

ja'o mi tolnelci le gejbirje
結局のところ、私はルートビアが嫌いだ。

ja'o do na prenu citka prenu
ということで、君は人肉を食べる人ではない。

ja'o do gento
ということは、君はアルゼンチン人だ。

ja'o do se bangu le glico .e la lojban .enai lo drata
ということは、君は英語とロジバンだけを話す。

za'a cladu carvi .i ja'o carmi carvi
騒がしい雨が聞こえたよ。ということは、激しい雨だ。

ro bu'a zo'u le ka bu'a cu xamgu .inaja la cev traji le ka bu'a .i le ka zasti cu xamgu .i ja'o la cev traji le ka zasti
すべての事象について、その性質が良いものであれば、神はその性質において頂点である。存在は良い性質である。ゆえに、神は存在という性質においても頂点である。


ju'a (UI2)
情報/着想の出所を非明確/省略的に表す。省略認識系。
(cf. xusra)

Keywords: 私は主張する、言明の根拠はあるがここでは述べない、<根拠>省略

ju'a loi xalka cu danfu .i mi na morji le preti
アルコールがその答えだ。私はその質問を覚えていない。

ju'a ba'e ro da cu se senpi .ei
万物は疑われるべきである、と私は主張しよう。


ka'u (UI2)
情報/着想の出所が文化的背景/神話/慣習であることを表す。
(cf. kluju'o)

Keywords: 私は文化的にそのことを知っている、<根拠>文化/慣習

.i tatpi joi xagji .i ka'u ca le cabdei mi na .ei citka je pinxe mu'i tu'a le lijda
疲れたしお腹が空いた。今日、私は宗教的な理由で飲み食べしてはいけない。

.i ka'u so'a nanmu cu xebni .iku'i mi certu le ka .o'o zei cinmo
ほとんどすべての男が何かを憎んでいるが、私は寛容については熟達しています。


pe'i (UI2)
情報/着想の出所が思考であることを表す。
(cf. jinvi)

Keywords: 私は~と考える、<根拠>思考

pe'i le nu ma'a na frili kakne le nu benji le nomoi cu mukti .ei le nu ma'a na troci le nu benji ja vecnu le remoi
私の考えによれば、我々がゼロ番目のものを送るのが簡単にできないということは、我々が2番目のものを送るか売るかしようとしないということの動機でなければならない。


ru'a (UI2)
情報/着想の出所が仮定/仮説/推定であることを表す。
(cf. sruma)

Keywords: 仮定すると、仮に、推定するに、想定するに、<根拠>仮定/想定

ru'a no le prenu cu nanca lo zmadu be li 25
その人達の誰も、25歳より上ではないと仮定する。

.i ru'a mi milxe leka bilma
推定するに、私はちょっとした病気だ。

se'o (UI2)
情報/着想の出所が内的経験(夢、先見、神の啓示など)であることを表す。
(cf. senva)

Keywords: 私は内的に知っている、夢で見たところによると、<根拠>夢

se'o tunta le mi tamji .i da poi palci cu klama jibni
私の親指を刺すのを夢でみた。邪悪な何かが近づいてきていた。


su'a (UI2)
前文を一般化した情報/着想の出所が他の(言明された/されていない)情報であることを表す。
この文が前文を一般化したものであることを表す。
(cf. su'anai, sucta, sucni'i)

Keywords: 一般化すると、つまり、<根拠>他の文(この文は前文の一般化である)

.i le mi skami se tcana prenu cu krici le se go'i

su'a le skami se tcana prenu cu so'eroi bebna

- 私のサーバー上の人々はそうだと信じている。

- つまり、サーバー上の人々はたいていの場合馬鹿ってことだ。


su'a nai (UI*2)
前文を詳述した情報/着想の出所が他の(言明された/されていない)情報であることを表す。
この文が前文を詳述したものであることを表す。

Keywords: 詳述すると、詳細をいうと、とりわけ、<根拠>他の文(この文は前文の詳述である)

mi pu te cusku lo nu go'i .i su'anai samselmri
私はそのように伝えられた。詳細をいうと、電子メールで。


ti'e (UI2)
情報/着想の出所が噂/取り次ぎの情報であることを表す。
(cf. tirna, sitna, tcidu)

Keywords: 噂によれば、~と言われている、~だそうだ、<根拠>噂/伝聞

ti'e lo bangu cu kensa vidru
言語は宇宙空間から来たウイルスと言われている。

ti'e le rokci pe la titan cu bisli jenai rokci
Titanのあの岩は実際は岩ではなく氷だということを聞いた。


za'a (UI2)
情報/着想の出所が直接観察したもの/認知したものであることを表す。
ここでいう認知は視覚でも、そうでなくてもいい。
(cf. zgana, lanli)

Keywords: 私は観察する、見るからに、実際見た/聞いた/感じた、<根拠>直接

.i le do cmene cu za'a xelso
聞いた感じ明らかに、君の名前がギリシャ系だ。

.i za'a le ca me la taral. cu cnino
今のTaralは、見るからに新しい。

.i za'a do catra
君が殺しをしているのを実際見た。


1 件のコメント:

  1. evidential は言語学の用語で、命題の情報源の違いによって言い方が変わる言語の中で、その情報源についての情報を与える文法的な要素のことを指すそうです。wikipedia では「証拠性」と訳されています。

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