2013/05/27

量化詞の補足


量化詞が思っていたのと違ったので、ここにまとめます。
やはり「量化詞」って名前だけあって、述語論理が顔をぬっと出すのがこの話題ですね…。

とりあえず、やむを得ず、述語論理から1つだけ用語を借用します:

議論領域: bridiを発言する際に、話題にしている範囲。その発話の参照する領域。

小難しく書きましたが、例を挙げればなんてことはないものです。
まず議論領域というのは必ず文脈を介して決定します。次の発話を考えてみます:

lo ninmu cu melbi

このlo ninmu は一体どの範囲のlo ninmuでしょうか?

・世界中の女性
・クラスメイト
・行きつけのバーの客
・・・・・

これはまさにその時どんな話をしているかに依存します。
このとき、世界中の女性とかクラスメイトとか…というのが議論領域となっているわけです。



さて、話を進めます。bridiにはもちろんsumtiが含まれています。
議論領域の中には、発言されるsumtiの指す対象が全部含まれています。
これは先ほどの議論領域の定義から明らかですね。
図にしてみました:


この図において、□sumtiの参照しうる対象は4つ、○sumtiの参照しうる対象は3つ、△sumtiの参照しうる対象は5つあるということになります。
当然ながら、このすべてが議論領域に含まれています(含まれてなければ参照できないし)。

まずは、量化詞のない場合を考えてみます。
シチュエーションを行きつけのバーにしましょうか。
その日、男は3人、女は4人いて、本が5冊あったとします。
そして、次のようなことをマスターにつぶやくとしましょう:

lo nanmu cu dunda lo cukta lo ninmu - 男は本を女にあげる。

もっと良い物あげろよ…とか思いますけど、そこはご愛嬌で… .u'i
さて、この呟きは真でしょうか?偽でしょうか?
実はこれはまたもや文脈に依存します。
つまり、上の3つのsumtiは文脈によって定まるある「変数」のようなものなのです。

量化詞のないsumtiは"変数"である。代入は文脈によって行われる。

この青い矢印は文脈で決まるものです。
文脈で決まるということは、発話時点ではこのbridiの真偽は判定できません(ふつう、発話は文脈の中でなされるものですから、実際は発話した瞬間にそのbridiの真偽は決定します。ここで言いたいのは、仮想的にbridiを文脈から引き離した場合、量化詞のないsumtiをもつbridiの真偽は決定できない、ということです)。
これは各sumtiが"自由"な状態にあるからと考えられます。
文脈によってその自由が奪われ、真偽が決定するのです。

この"自由"というのがキーポイントです。
量化詞がつくと、そのsumtiは文脈無しに自由を奪われてしまうのです。

バーの女性陣に着目して、次のようなことを言ったとしましょう:

lo ninmu cu melbi - その女は美しい。

lo ninmuには量化詞がついていないので、文脈なしでは自由な状態にあります。
これに量化詞をつけてみましょう。例えば:

ro lo ninmu cu melbi - (バーの)女はみんな美しい。

量化詞がつくと、sumtiは議論領域の対象すべてを参照します。
まあ、roならこのことは当然のように思えます。
すべての女が美しいかを調べるには、議論領域の対象すべてをみないといけないですから。
では、次の場合はどうでしょう?:

re lo ninmu cu melbi - (バーの)女の2人が美しい。

このbridiについて、次のように考える人がいるかもしれません:
「これは議論領域の女から恣意的に美しい女性を2人選べということだ!」
残念ながら、この考えは誤りです。
なぜなら、量化詞のついたsumtiはとにかく「議論領域すべての対象を参照する」からです。
量化詞のついたsumtiは議論領域の対象をすべて参照する
バーにいる4人を調べあげましょう。
一人目、…美しくないな。
二人目、おお綺麗!
三人目、…言うのもはばかられる…(失礼)
四人目、好み!美しい!ねえオススメのカクテルがあるんだけどどう?

さて、美しい人は無事2人いましたね。いや、ちょうど2人いましたね。
このとき、re lo ninmu cu melbi は真となります。
分かりますか?全員綺麗なら、re lo ninmu cu melbi は偽なのです。
どの lo ninmuを選ぶかを決めるために文脈が不要ですね。そういう意味で"自由"がないのです。
"自由"がないので、このsumtiは"束縛"されているとでもいいましょう。

このように、量化詞がつくと、そのsumtiは自由を失います。
言い換えれば、文脈によって決めなければならない箇所がひとつ消えます。
bridiがそれ自体で真偽判定できるのに一歩前進するのです。

気をつけたいのが、量化詞 pa ですね。
pa lo ninmu cu melbi と lo ninmu cu melbi は、意味が全く違うことに注意して下さい。

3 件のコメント:

  1. 【量化】とは、
    ① 【ある事象のモノ】を数値化する事  →【数量化】 
    ② 【言葉でのセンテンス】は、一階術語論理
    ③ 【数そのモノ】は、二階述語論理をもともと保持

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  2. 心はすべて数学である2020年5月12日 20:07

    量化された自然数は、
    [絵本]『もろはのつるぎ」で・・・

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  3. 数の計量構造は、πと1 とを同格で取り扱いたい・・・

     √6〇÷□如来蔵 

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